グラファイト酸化物を還元する方法は、おそらく歴史的に最初のグラフェン合成法だったと考えられる。1962年には既に、Boehm が酸化グラファイトの還元物の単層薄片について報告している[31]

グラフェン研究に対する Boehm の貢献については、最近になってからノーベル物理学賞受賞者 Andre Geim によって認知されるようになった[32]。酸化グラファイトは急速加熱によって剥離でき、数%のグラフェン薄片を含んだ高分散のカーボンパウダーを得ることができる。ヒドラジンやアルゴン/水素中での熱処理などによって単層のグラファイト酸化物を還元することでグラフェン薄膜を得られることが報告されている。しかしながら、同法によるグラフェンの品質は、スコッチテープ法などと比べると低い。これは、既存の還元方法では様々な官能基を完全に取り除くことができないためである。

最近になって、集束した太陽光の照射による酸化グラファイトの還元および剥離によって、酸化官能基が比較的少なくなることが報告されている[33]。酸化グラファイト膜をDVDディスクの1層に適用した例では、導電性が1738 S/m と高く、比表面積1520 m2/g といった特性をもつグラフェン薄膜が得られている。耐久性や展性も高いとされる[34] [35]