適切な液状媒質にグラファイトを分散させ、超音波処理をかけると、剥離していないグラファイトが、遠心力によってグラフェンから分離される。この方法は、Hernandez らが最初に提案した。Hernandez らは、N-メチルピロリドン(NMP)中に濃度 0.01mg/ml のグラフェンを得た[42]

その後、いくつかの研究グループによって、同法の改良が行われた。特に、Alberto Mariani らイタリアのグループは、NMP中のグラフェン濃度を 2.21mg/ml まで高めた[43]。また、同グループは、すべての液体、すべての方法の中でこれまでで最も高濃度のグラフェンを報告している。例えば、分散用液状媒質としてイオン液体を用いてグラファイト剥離を行う方法では、5.33mg/ml という高濃度グラフェンが得られている[44]

A)NMP中に分散したグラフェン。遠心分離後の濃度は4~6μg/mlとなっている。濃度は試料AからEの順に薄くなる。 B)NMP、GBL、DMAおよびDMEU中に分散させた濃度3~9μg/mlのグラフェンの吸収スペクトル。C)吸収波長(660nm)をセル長(A/l)で除して、グラフェン濃度の関数としてプロットしたグラフ。平均吸収率α660 = 2240 L/g/m でのランベルト・ベール挙動が見られる。D)遠心分離後に測定したグラフェン濃度と溶媒の表面張力の関係。破線矢印で示したのは文献で報告されているグラファイトの表面張力の範囲 (Hernandez et al., Nature Nanotechnology(2008) doi:10.1038/nnano.2008.215)