2011年、ジョージア工科大学のグループが、グラフェンを利用した熱界面材料を報告した[77]。熱伝導性のある機能性多層グラフェンシートを室温条件での真空ろ過によって大規模に配向させ、これをSEM画像と偏光ラマン分光法で確認した。配向した機能性多層グラフェン(A-fMGs)の特性には強い異方性が見られた。導電率は386 S/cm 程度、熱伝導率は112 W/m・K@25℃ となり、A-fMGs の面内方向の熱膨張係数は還元プロセスをまったく伴わない状態で -0.71 ppm/K と極めて低かった。

次に、高純度インジウムを中間媒体とするシリコン/シリコン接合面に対して A-fMGs を垂直に立てて、3次元の垂直配向 fMG 熱界面材料(VA-fMG TIM)を構成した。シリコン表面に横付けされた A-fMGs と比較すると、VA-fMG TIM の等価熱伝導率は 75.5 W/m・k と極めて高く、接触熱抵抗は 5.1 mm2 K/W と低かった。これらの結果は、垂直配向したグラフェン・アーキテクチャが、熱マネジメント材料としてだけでなく、エネルギー貯蔵デバイスや導電性ポリマー複合材料など幅広い分野に応用できることを示唆している。

3次元垂直配向した多層グラフェンによる熱界面材料の特性 (C. P. Wong et al., ACS Nano (2011) doi:10.1021/nn200181e)